帰ってきたくなるカフェのような家を。
女性スタッフだけでつくったモデルハウスの記録。
プロジェクトについて
CASE
栃木県さくら市に建てた、コンセプトハウス「FIKA」。
FIKAとは、スウェーデン語で「甘いものと一緒にコーヒーを楽しむ時間」を意味する言葉です。北欧の人々が毎日大切にしている、そのひとときのような住まいをつくれないか——構想はそこから始まりました。
営業、設計、現場監督、コーディネーター、外構。今回チームを組んだのは、すべて女性スタッフです。「自分だったらこの家でどう過ごしたいか」という視点を、一人ひとりが持ち寄りました。
30〜40代の女性が「素敵」と感じる、温かみと洗練のバランス。それを図面と現場の両方で追いかけた、約10ヶ月間の記録です。
- 工事種別
- モデルハウス新築工事
- 所在地
- 栃木県さくら市
- 竣工年
- 2025年
- プロジェクト日数
- 約10カ月
- 施工面積
- 132.46㎡(40.00坪)
- 担当人数
- 4名
プロジェクトメンバー
Kさん
営業部/2011年新卒入社
Nさん
建築部/2016年新卒入社
Mさん
インテリアデザイン課/2017年新卒入社
課題と解決プロセス
課題.1
「カフェのような家」を、どこまで本気で振り切るか
北欧モダニズムというコンセプトは早い段階で決まりました。難しかったのは、その徹底度です。モデルハウスは実際に建てられる家でもあるため、思い切ったデザインは「参考にしにくい」というリスクを伴います。それでもチームで出した結論は、中途半端にしないことでした。参考にしたのは、デンマークの家具デザイナー、フィン・ユールの自邸。外観の形状から室内の壁面タイルまで、世界観を一本の線でつなぎ、「暮らしのイメージが具体的に湧く家」を目指しました。
課題.2
図面では伝わらない”体感”を、どうつくるか
玄関ホールからリビングへ向かう通路の天井をあえて低くし、抜けた先で一気に開放感が生まれるようにする。同じLDKのなかでも場所ごとに天井高を変え、それぞれの居場所に表情をつける。いずれも数字だけを見れば些細な差ですが、実際に歩いたときの感じ方はまったく違います。設計と現場で何度も現地に立ち、寸法の意図を共有しながら仕上げていきました。図面を読むのではなく、図面の先にある体感を共有する——それが今回いちばん時間をかけた作業でした。
課題.3
細部のこだわりが、施工の難易度を上げた
玄関ホールを四角ではなくホームベースのような形にしたのは、玄関から見える扉をリビングだけに絞り、下駄箱まわりの意匠を引き立てるためでした。狙いは明確でしたが、通常とは異なる形状は、そのまま現場の難易度になります。壁面のタイル張りも同様でした。職人さんと事前に納まりを詰め、実際に手を動かしながら調整を重ねる。設計の意図を落とさずに形にできたのは、現場と職人が同じ絵を見ていたからです。
担当者の声
「自分が住むなら」を、そのまま形にできた現場でした。
女性スタッフだけでチームを組むと聞いたときは、正直プレッシャーもありました。でも打ち合わせを始めてみると、話がとても早かった。朝の光をどこで浴びたいか、家事の合間にどこで一息つきたいか。生活者としての実感がそのまま設計の言葉になっていきました。1階に寝室を配置した回遊動線も、キッチンから見える景色も、すべて「自分ならこうしたい」から生まれたものです。見学に来られた方が同じところで足を止めてくださると、伝わったのだと嬉しくなります。
ミリ単位のこだわりが、住み心地に変わる瞬間がある。
天井高を場所ごとに変える、ホールの形を変える。図面を見た最初は「なぜここまで」と思う部分もありました。でも実際に建ち上がって、玄関から一歩入ったときの感覚を確かめて納得しました。設計の意図は、体で感じて初めてわかるものなんだと。職人さんにも一つひとつ理由を伝えながら進めたことで、現場全体が同じ方向を向けた気がします。完成したFIKAを歩くと、あのとき粘ってよかったと思います。
完成・引き渡し

見学に来られた方が、キッチンの前で立ち止まる。フリースペースに腰を下ろして、なかなか立ち上がらない。2階のホールから山並みを眺めて、思わず声を上げる。私たちが「見せ場」と考えていた場所で、狙いどおりに足が止まる瞬間を何度も目にしました。FIKAは、モデルハウスであると同時に、私たちの提案そのものです。ここで過ごす時間が、そのまま「こんな暮らしがしたい」というイメージにつながっていく。そう信じて、これからもお客様をお迎えします。